和解離婚とは、離婚訴訟の途中に当事者が話し合いによって離婚をすることです。すなわち、離婚訴訟が起こっても、必ずしも最後まで訴訟を続けて判決してもらわないといけないわけではなく、訴訟のどの段階においても、当事者が話し合いをして裁判上で和解ができれば、その時点で訴訟が終了して和解離婚ができます。
和解の話し合いは、離婚訴訟の間中、何度でもいつでも繰り返すことができます。離婚訴訟の手続き中に和解が成立したら、その日に訴訟手続きは終了します。そして、後日当事者宛に裁判所から和解調書が送られてきます。弁護士に手続を依頼している場合には、弁護士が和解調書を取り寄せて送ってくれます。その和解調書を役所にもっていき届出をしたら、離婚の手続きができます。
また、この和解調書には強制執行力(差し押さえをする効力)があります。つまり、和解内容に金銭支払いなどが含まれているにもかかわらず相手が約束通りの支払をしない場合には、和解調書をもって相手の財産を差し押さえることもできるのです。
和解離婚の最大のメリットは、途中で裁判を終わらせることができるため訴訟を早期に終わらせて離婚問題を終結させることができる点にあります。訴訟が長引くと当事者のストレスにもなります。特に、尋問前に和解離婚をすると、ストレスがかかりがちな尋問をする必要がなくなり、楽に離婚問題を解決することができます。また、和解によって離婚した場合、戸籍に「和解によって離婚」と記載されます。これは、判決によって離婚し「裁判によって離婚」と記載される場合と比べ、再婚する際に、和解によって話し合いで解決したのだと理解してもらえるので、相手に与える印象が良くなります。
パル法律事務所は、東京都武蔵野市吉祥寺に事務所を構え、吉祥寺に根付いた気軽に相談できる法律事務所として、相続や離婚を中心としたご相談を承っております。離婚についてお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
和解離婚
パル法律事務所が提供する基礎知識
-
財産分与
■財産分与の法的性質 財産分与は単なる贈与(民法549条)と異なり、 ①婚姻中における夫婦財産関係の...
-
使い込み(不当利得返還請求)
■使い込みがあった場合 相続財産の一部である銀行預金が、親族の一人によって引き出されているというケース...
-
遺産相続相談の流れ
■死亡から3か月以内に行うこと 相続を行う際、最初に行うことは、遺言書の有無の確認・法定相続人の確定・...
-
慰謝料
結婚相手の不貞行為や浮気、DVなどをされた場合、相手やその不倫した人に対して、精神的な苦痛を負ったとし...
-
法定相続とは
■法定相続とは 法定相続とは、民法第900条に規定された相続の方法のことを指します。遺言のない場合、相...
-
【弁護士が解説】財産分...
財産分与とは?離婚時に夫婦で分ける財産の基本 離婚に際して、夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた...
-
相続放棄をすべきかの判...
相続放棄をすべきでない場合に相続放棄をしてしまう、または相続放棄をすべきなのに相続放棄をしなかった場...
-
行方不明で連絡が取れな...
行方不明で連絡が取れない相続人がいる場合はどうしたらいい? 相続が発生し、遺産分割協議を進めよう...
-
秘密証書遺言
秘密証書遺言(民法970条)とは、遺言者が自身で作成した証書に署名押印し、封印したものを、証人二人以上...