財産分与とは?離婚時に夫婦で分ける財産の基本
離婚に際して、夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた財産をどのように分けるかという財産分与の問題は重要な問題です。
ここでは、財産分与の割合を変更できるケースについて弁護士が解説します
財産分与とは
財産分与とは、離婚する夫婦が、婚姻期間中に協力して築き上げた共有財産を公平に分配する制度です。
その目的は、夫婦の共同生活によって形成された財産を清算することにあります。
民法第768条に法的根拠が定められており、離婚した者の一方から他方に対して財産の分与を請求できるとされています。
財産分与の基本的な割合
財産分与は、夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた財産(共有財産)を、離婚時に清算する制度です。
その基本的な考え方は、夫婦の協力によって財産が形成されたという貢献度を評価するものであり、原則として、その割合は2分の1とされています。
財産分与の割合を変更できる主なケース
原則は2分の1ですが、以下のような特別な事情がある場合には、財産分与の割合が変更される可能性があります。
特別な貢献があった場合
夫婦の一方が、通常の夫婦の協力範囲を超えて、財産形成に著しく貢献したと認められる場合、その貢献度に応じて財産分与の割合が変更されることがあります。
たとえば夫婦の一方が経営する会社の事業に、もう一方が無償で長期間にわたり多大な労力を提供し、会社の財産を著しく増加させた場合や、夫婦の一方が、独身時代に築いた多額の財産を婚姻後に夫婦の共有財産に組み入れたり、特別な才能や努力によって高額な収入を得て、それが夫婦の財産形成に大きく寄与したりした場合などが該当し得ます。
浪費・不貞行為などによる財産減少があった場合
夫婦の一方が、ギャンブル、多額の借金、不貞行為(不倫)などによって、夫婦の共有財産を著しく減少させた場合、その減少させた側の取り分が減らされる可能性があります。
既に一方が多くの財産を受け取っている場合
離婚前に、夫婦の一方が他方から高額な財産移転や贈与を受けていた場合、その金額を考慮して財産分与の割合が調整されることがあります。
これは、既に受け取った財産を財産分与の一部として清算するためです。
一方の借金や債務が過度に多い場合
夫婦の共有財産を上回るほどの多額の借金や債務が一方にある場合、実質的な財産価値が片方に偏ってしまうことがあります。
このような場合、財産分与の割合を調整することで、実質的な公平性を図ることが検討されることがあります。
まとめ
公平な財産分与を実現するためには、まず自身の状況を正確に把握し、法的な知識に基づいて適切な主張を行うことが重要です。
もし財産分与の割合について疑問や不満がある場合は、ひとりで悩まず、離婚問題や財産分与に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。