■遺言とは
遺言(「ゆいごん」 ※法律用語としては「いごん」)とは、被相続人の最後の意思表示のことをいいます。
近代私法の大原則である私的自治の原則を死後にまで拡張することで、個人の意思を尊重し、その個人の法律関係に関する意思表示の効果発生を死後に行うことを目的とする制度です。
このように遺言を作成することで、死後においても、自由意思に基づいて死後の法理関係の整理を行えることを「遺言自由の原則」といいます。
なお、被相続人が15歳に達しない者(民法961条)である場合や、意思能力を欠いている場合(民法963条)については遺言について制限を受けてしまうので、注意が必要です。
遺言がない場合、被相続人の財産は、民法が規定する通りに、その相続人に対して法定相続分(民法900条以下)の割合で帰属していきます。
また個別の財産についても、相続人間における遺産分割協議によって、これらの帰属が決定されます。
しかし、遺産の中には、不動産などといった分割の難しいものがあったり、また、遺産分割の内容や相続手続きなどについて、相続人同士で争いが生じ、紛争にまで発展する場合があります。
さらに、被相続人が遺産を分けたいと思った人物がいても、その人が民法上相続の対象となる地位(民法887条,889条,890条)でない場合、相続することができないなどの不都合が生じてしまいます。
■遺言でできること
遺産を相続するに際に、遺言を利用すれば上記のような紛争を未然に防止したり、被相続人にとって都合の良い遺産の整理を行うことができます。
・遺産分割方法の指定
遺産分割方法の指定とは、被相続人が個別財産の分割について、誰がどのように相続するかという遺産の分割方法をあらかじめ具体的に指定しておくことができる制度(民法908条)をいいます。
・相続分の指定
例えば、民法900条1号では、「子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。」と規定されていますが、遺言によって各相続人、この場合は「子及び配偶者」それぞれについて相続分の割合を変更することができます(902条)。
・遺贈
遺贈とは、遺言によって相続人以外の人に財産を贈与することをいい、被相続人が自己の財産の全部又は一部を特定の誰かに与える処分行為のことをいいます(民法964条)。
遺贈を行うことで、相続の対象とならない人物であっても自身の財産を遺すことができます。
例えば、内縁の妻、事実上の養子、友人などの人物は、相続人として民法に規定されていないため、遺産を遺すためには遺贈を利用する必要があります。
パル法律事務所では、東京都武蔵野市を中心に、生前贈与、年金の相続、限定相続などといった様々な遺産や相続に関する相談を承っております。
お悩みの際にはお気軽に当事務所までご相談ください。
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